演奏

「音による安らぎ」の観点から、演奏の技術的側面と、精神的側面の両方を考慮することが重要だと私達は考えます。

技術的側面

もし弦をとても激しく弾くならば、音は明るくエキサイティングになるでしょうが、組成変移の限界を超えた力がかかってしまうと弾性波が生成されにくい、ということにもなります。そうなると、横波成分も発生しにくく、サウンドセラピーの観点からすると効果的でない、ということが言えます。一方、弦を優しく弾くならば、弦が弧を描くようにゆるやかに振動し、横波を生成し、その音色が細胞に届くと考えられます。演奏家は、このことを認識し、どのように演奏すれば最も効果的に楽器を「振動」させ、横波成分を生成することができるかを考える必要があります。

また、フレージングも重要な要素です。それぞれのフレーズは十分なスペースが空けられており、その間に豊かな振動が効果的に生成されるように演奏しなくてはなりません。

精神的側面

様々な文化の中に見られる「スピリチュアル・ヒーラー」と呼ばれる人たちに共通することは、演奏者は「祈り手」であり、その癒しの力は自らを超えた存在から来るものであり、彼/彼女自身の力でないということを強く認識している、ということです。

能力開発研究所の志賀一雅氏が開発した脳波計を用いた実験では、人が祈りの状態にある時、脳は強いmid-α波を作り出している状態が測定されました。それを考慮に入れると、脳波は一種の電磁波ですので、祈りつつ演奏する者の脳波が、その楽器の音に共振し、横波によって伝達され、それによって癒しが起こっているという可能性も考えられます(しかし本当のところ、どのようにして癒しが起こるのかというのは、私達には分かりません)。

また、演奏家が自らをアピールしようとして激しい演奏を行うとき、「音の創造」のセクションでも述べたように、 横波成分よりははるかに縦波成分の方が多くなってしまうため、エキサイティングではあるでしょうが、私達の目指すリラクゼーションにはなりにくいと考えます。演奏家は、彼/彼女自身が演奏時に持つ、あらゆる意思、技術、エゴ・・・を捨て去る必要があります。

謙虚であること・・これが「音による安らぎ」を提供する者にとって、最も重要な要素であると考えています。